いつかは富士山に登りたい…
と始めた山登り。
山登りを始めて、9か月で富士山に登ることができました。
お山紹介
富士山 山梨県・静岡県 標高3776m 日本百名山 日本最高峰
富士山知らない人いないでしょ…
いまさら富士山を紹介するってどおよ…😅
なので、もしかしたら皆さんがご存じないかもしれない
「富士山トリビア」を紹介したいと思います。
①日本三大霊山
山岳信仰の対象として山を見た場合、日本の代表的な三座のうちの一つが富士山です。
全国に1,300社ある浅間神社の総本宮である、富士山本宮浅間大社の奥宮が山頂にあります。
浅間神社は木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやびめのみこと)という美しい女神さまを祀っています。
美しすぎる富士山の山容にピッタリな気がします。
ちなみに三大霊山のあと二つは立山、白山です
②山頂には県境がない
●までが県境です。不思議!
③富士山には川がない
大噴火によってできた富士山は、小さな穴だらけの岩で形成されているため、水が地中にしみこんでいくため、川がありません。同じ理由で水たまりもできないため、蚊がいない、らしいです。
唯一、須走登山口近くに、雪解けの時期の1か月ほどだけ、しかも気温や時間帯によって現れる、「まぼろしの滝」があります。
④女人禁制だった
明治4年(1892年)に女人禁制が解かれるまで、信仰登山の対象だった富士山に女性は登れなかったんです。
その40年前(1832年)、初めて富士山に登った女性は、男装してコソーと登ったそうですが、その方のお名前がなんと「高山たつ」さん! まさに「高い山にたつ」!
富士山に行くぞ!
そもそも前年の夏、うちの長男と
「富士山のぼってみたいね」
「うん、そうだね」
どちらともなく交わした会話から、始まった山登り。
以来、長男は4回の山行についてきてくれました。
富士山に行く前日…
ぴぃおじさん:「富士山行くけど、行く?」
長男:「行ってらー」(行ってらっしゃいませ の意味の略語)
中学二年ですので、親父との山登りよりも大切なことがたくさんあるお年頃です。
というわけで、思いついたように一人で富士山に向かいます。
富士登山、6月という時期
本来富士登山は、開山時期に登るべきです。
山梨県側(7月1日~9月10日)
静岡県側(7月10日~9月10日)
その年によって異なる場合がありますので、事前に調べた方がいいと思います。
開山期間は、山小屋が営業していますし、救護の体制も整っています。
逆に開山期間以外は、山小屋が営業していないため、途中の食糧、水分の調達はできませんし、トイレもありません。
第一宿泊できませんので、日帰り前提の行程になってしまいます。
ということは、いわゆる弾丸登山による高山病のリスクもあります。
万が一の際も助けてくれる人はいませんので、自己責任の世界になります。
メリットは2つ。
①「すいてる」です。
開山時期の富士山は山頂まで行列で自分のペースで登れないと聞きます。
②マイカー規制が敷かれていません。
マイカーで五合目まで行けるのは時間的にもコスト的にも大きなメリット。
というわけで、6月下旬に登ることに決めました。
富士山に畏怖の念、登る前に決めたこと
日本には3000mを超える山が21座あり、第二位は3193mの南アルプスの北岳です。
3776mの富士山は第二位を大きく離し、圧倒的に高い山です。
あんな高いところまでたどり着けるのだろうか?
いろいろな不安がよぎります。
そこで、3つ決めました。
①ルート選択
4つある登山口の中で一番標高が高く(山頂までの標高差が一番少ない)、距離、コースタイムともに一番短い、富士宮コースを選択しました。
②高山病対策
登山口で1時間休んでから出発することに決めました。
(この高所順応、眠ると意味がないそうです)
③無理しない
これが一番大事!
決して無理せず、きつかったら、迷わず下山する、と決めました。
思い付きに近い形で来ましたので、「登頂できたらラッキー」くらいの気持ちで出発です!
山行記録 【2019年6月23日】
富士山て近づくほど、富士山の形が分からなくなりますね。
天気は良くないですね…
【7:15】登山開始
すでに標高2400m。
【7:30】登山口は通行止め
通行止め! ここからは自己責任ってこと!
気を引き締めていきます!
山頂方面はガスガスです。
【8:30】自分史上の最高所、3000m!
あれ⁈
手袋が片方ない??
どこかで落としたのか?
スマホ対応の手袋が、最近スマホのタッチがきかなくて、写真撮るたびに外す必要がありました。
いつ落としたかわからない。
探しに行く?
いや~それはしんどい。
それと、50歳近いおじさんの手袋片方だけ、という異物を神聖な富士山に落としてしまった罪悪感。
帰りに探しながら、降りよう。
絶対見つけて、なんとしても異物を回収しなければ…
【9:30】雪!
富士山の形を見ればわかるとおり、
ほんっとに単調な登りです。
ずーーーっと登り続けます。
【10:00】9合目
え?
もう9合目?
この分なら山頂まで行けるね…
と思ったとき、なんか少し頭が痛い気がする…
これって高山病かな?
この日のように天気が悪いときは気圧が低いため、高山病になりやすいそうです。
まあ、もう少しだからね、ゆっくり行きましょ。
こんな高い草も虫もいないところになんで鳥がいるんだろう…?
【10:30】駿河湾?
振り返って、駿河湾が一望できるはずですが、果たしてここは?
雲の上なのか、雲の下なのか… 雲の中…かな…
うっすら青いのは、海?空?
【10:50】雪⁈積もってるし!
50mくらい直登します。
慎重に、慎重に…
【11:00】
雪⁈ 降ってきたし!
風で下から舞い上がってきて雪が叩きつけてきます。
すれ違った方に、
ぴぃおじさん:「富士山初めて来たんです。雪ですか?これ?」
富士山の先輩:「まあ、日本で一番高いところだからね。 雪だよ。」
と変な会話。
富士山の先輩:「あれ? なんで手袋片方してないの?」
ぴぃおじさん:「多分、途中で落としちゃったんです」
富士山の先輩:「えー、手袋ないときついよ⁈ 気をつけてね」
てことは、これよりさらに寒くなるのか、大丈夫かな? 左手。
それと、帰りに手袋見つかるかな??
富士山に汚点を残したくない。
回収したい!
【11:20】登頂!
景色は雲だけ~
晴れた日にまた来よう。
寒い!
手が痺れるように痛い!
【11:40】
剣が峰 登頂!
ここまでの最後の急登は、「胸突き八丁」といって、赤色の砂利が盛られた感じの80mの急坂です。
60cm前に一歩踏み出したら、ズリッと30cm下がる、
60cm前に一歩踏み出したら、ズリッと30cm下がる。
を繰り返し、やーーーっと最高峰にたどり着くことができます。
周りを見渡すと、ここが一番高いところっぽい。
もう一歩踏めば、日本で一番高いところ。
・・・
・・・
・・・
…最後の一歩を踏まずに下山したわけ
去年の夏、「いつか富士山のぼろうぜ!」
と長男と誓い合ったことを思い出した。
思いついたように急に富士山に一人で来てしまったんだよなぁ…
長男が来ないなら、別の山に行ってもよかったのに、一人で来ちゃった。
高山病の頭痛はいつの間にかおさまったが、少し胸が痛んだ。
いつか長男とここに来る日が来るはず。
「最後の一歩はそのときまでとっておこう」
「うん、また来年来よう」
(2020年、コロナ禍のため富士山の登山道は全面通行止め、トホホ😫)
気づけば、コースタイムの60%ほど、3時間10分で剣が峰まで登れたことになります。
そうとうな脚力が付いたのだと、登頂した達成感とともに、第一の目標を達成できたことを素直に喜ぶことにしました。
あー、それにしても左手がヤバいくらい真っかっか
あっ、手袋!
回収しなきゃ!
下りはずーーーっと強風の雲の中でした。
眺望はなく、写真もありません。
手袋、手袋、ないかなー
この強風じゃ、どうせ風で飛ばされてなくなってるよ…
だけど、もしかして誰かが…
この杭の丸いところに…
ないなー
もう5合目に着いちゃうよ…
ん?
…まさかね…
・・・
・・・
・・・
手袋あった!
この日最後に大感動‼️‼️‼️
5合目到着直前、
まさしく願っていたカタチで、
強風に飛ばされないように丁寧に、
我が左手袋が!
拾ってくださった方、ありがとうございました!
異物回収!
帰宅後
ぴぃおじさん:「富士山行ってきたよー」
長女: 「山頂まで行けたのー?」
ぴぃおじさん:「行ってきたぜい!」
長男: 「へー、すげー」
ぴぃおじさん:「でも一番高いところまでは行けなかったんだ」
「来年一緒に行こうか?」
長男: 「んー、行けたらねー」
妻: 「受験なんだから、誘わないでよね!」
ぴぃおじさん:「ん、うん…」
あれれれれ…?
という仲良し家族のお話…